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監査法人ショートレビュー
3期前で監査法人を選定すると監査法人からショートレビューを受けることになります。監査契約締結前の調査のようなことです。前回、上場審査書類の中に「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」があり、監査報告書の付いた2期間の財務諸表が必要 であると説明した思います。 ショートレビューを受けて、問題がなければ2期前からの監査契約締結することが可能となります。ショートレビュー実施後において、不合格となりますともう一年、上場時期が延長することになります。 ショートレビューは、どのようなことが行われるかというと主に以下の内容です。利益管理体制の調査
中期経営計画及び年次予算を作成し、予実差異分析を実施する予算制度の整備状況の調査業務管理体制の調査
販売管理、購買管理、在庫管理、原価管理、財務管理、固定資産管理、決算財務報告などの主要な業務の整備状況の調査経営管理組織の調査
コーポレートガバナンス、すなわち取締役会や監査役会の構成を含めた会社の組織体制・内部牽制、各種規程類の整備状況の調査関連当事者等との取引状況や関係会社の調査
関連当事者等や関係会社の取引内容の把握の調査会計処理に関する調査
重要な会計方針の内容調査、ディスクロージャーに求められる月次・年次決算の実施状況の調査 調査の内容からみても、かなり高度な財務経理の管理が求められることが分かると思います。 だから上場を目指すと決めたら、財務経理を管理するリーダ格となる候補を決めて、どんどん改善してもらって突き進むしかありません。社内は、多少、今までと違って堅苦しくなってしまいます。「今までと違う、こんなことやりたくない」と社員から抵抗を受けるかもしれませんが、社長は、財務経理の担当者をバックアップして社内の体制が整うように協力してあげてください。 残念ながら上記の事が、できないと監査法人と監査契約を締結してもらえず、永遠に上場することができないのです。